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菊地直子の無罪に検察が上告。控訴と上告、検察の過去の上告例は?

      2016/09/14

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12月9日に検察側は菊地直子の無罪判決を不服として上告する事

を決定しました。

理由は「判例違反」で「高裁判決は国民感覚からも乖離(かいり)し

ている」という事ですが、上告により判決が変わる可能性はあるの

でしょうか?

 

検察が過去に上告した裁判とは?

通常被告側が上告するというのはよくある事なのですが、検察側

から上告するというのはこれまではほとんどありませんでした。

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ところがここ最近は検察側が上告するケースもたびたび起こって

います。控訴自体は検察側もよく行いますが、上告をする理由とは

何か?控訴と上告の違いは何かを書いていきます。

 

控訴と上告の違い(刑事裁判の場合)

控訴とは刑事裁判において、被告または検察側が判決内容に不服

の場合に申し立てる事を控訴といい、控訴期限は判決の言い渡し

から14日間となっています。

控訴ができる理由は一応は限られてはいますが、理由自体は結構

多いので省きますが、主に

1、量刑不当によるもの

2、法令の適用に誤りがあるもの

がほとんどを占めています。

 

それに対し上告は控訴とは違い、上告理由は限定されています。

1、判決に憲法違反がある、もしくは憲法解釈の誤り

2、過去の最高裁の判例違反

と理由は限られており、控訴と違い量刑不当や事実の誤認とかという

理由では上告はできません。

ほとんどの場合、検察被告双方の上告は棄却される傾向にあります。

よく言われる棄却理由として「上告理由には当たらない」という言葉

がよく使われます。

ただし、過去には上告により判決が覆った例もまれには存在しています。

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近年の刑事事件で検察側が上告したケース

被告側が上告するというケースはよくあるのですが、検察側が上告すると

いうケースはそれほど多くはありません。

理由は上に書いた通り上告理由は限定されているというのと、ほとんど

の裁判では検察側が勝訴しているので、検察側からあえて上告する理由

もないのですが、検察側が敗訴している事を理由として上告しているケ

ースがほとんどとなります。

 

2001年に起きた広島家族3人放火殺人事件では、地裁、高裁、最高裁と

3つの裁判ですべて無罪になるという極めてまれな裁判でした。

この事件は住宅に住んでいた女性が殺害、子供2人が焼死体で見つかる

という事件がありました。2006年に男性が殺人と現住建造物等放火逮

捕され(住んでいた女性はこの男性の母で子供2人は男性の実の子供)、

起訴されました。

1審で検察側は保険金殺人を主張しましたが、1審では検察の主張を動

機が不十分として信用性を否定、さらには秘密の暴露もない事から無

罪判決を言い渡しました。

2審も同じく無罪。通常ですと、1・2審ともに無罪の場合検察側は上

告を断念するのがほとんどでしたが、検察側は上告しました。

そして最高裁は上告を棄却。3審とも無罪となり男性の無罪が確定し

ました。

 

もう一つはこれは有名ですが、2008年5月に起きた舞鶴高1女子殺害

事件です。この事件は被告とされた男が過去に殺人事件を起こしてい

た事や物的証拠がないなどでかなり注目を浴びていました。

 

1審では争点として、被告が映っているとされるカメラ映像の証拠能力

でしたが判決はカメラ映像の証拠能力は否定しましたが、目撃証言など

から無期懲役の判決をを言い渡しました。

2審ではカメラ映像の証拠能力の否定、犯人しか知り得ないとされた「秘

密の暴露」は単なる印象にすぎないとして検察側の主張を否定、逆転無罪

判決を言い渡しました。検察は最高裁に上告しましたが、上告は棄却され

被告の無罪が確定しました。

 

ちなみにその被告とされた男は大阪市内で殺人未遂事件をおこし、拘留中となってい

ます。

 

菊地直子は有罪か無罪か?

2つほど検察側上告の例を挙げましたが、控訴と違い上告で判決が変わる

ケースはほとんどありません。被告側からの上告ですと過去に12例ほど

あるのですが、その中には最高裁で判決が変わるのではなく、差し戻し

という形になり裁判を地裁もしくは高裁で再審理という方向になってい

ます。

再審理の場合は基本的には前の判決内容が変わる事がほとんどで、もし

菊池直子の判決が変わるとしたら最高裁ではなく高裁での差し戻しでの

判決になるのかもしれません。

 

菊地直子の裁判での上告理由に「判例違反」を理由に上告しています。

最高裁は24年、2審で逆転有罪判決を受けた覚醒剤密輸事件の被告の

上告審判決で、1審裁判員裁判の無罪判決を支持、「明らかに不合理で

なければ、裁判員 の判断を尊重すべきだ」との初判断を示していた。東

京高検は「新証拠もなく裁判員の判断を覆した2審は判例違反」(検察

幹部)

以上。産経新聞ソース。

これが上告の理由となっているようなのですが、この覚せい剤の事件では

裁判員裁判で無罪になっているのにもかかわらず検察側は控訴していまし

た。

つまり検察は無罪とされた判決には控訴で、逆に有罪が無罪に変わると裁

判員裁判を尊重すべきというダブルスタンダードの立場をとっているのです。

判例違反と言うならば、以前の裁判員裁判で死刑判決だったのが控訴審で無

期懲役に変わった判決も上告しないと話が合いません。

 

そもそも1審の判決は推論ありきでの有罪だったのが控訴審で無罪になった

だけの話です。菊地直子の果たした役割は結果的に重大な被害をもたらしま

したが、だからといって証拠もないのに推論で押し通しての有罪判決には問

題があるとしかいいようがありません。

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